【ブルガリ】展覧会「カレイドス」を新国立美術館で開催!その美しい色彩の魅力について解説

ブルガリ展覧会
新国立美術館HPより転載

ブルガリが誇る展覧会「カレイドス 色彩・文化・技巧」が、2025年9月17日から12月15日まで東京・国立新美術館にて開催されています。
日本においてブルガリがこの規模で展覧会を行うのは実に10年ぶりであり、約350点におよぶ珠玉のジュエリーと現代アート作品が集結しています。

テーマは「色彩」であり、ブルガリが創業以来大切にしてきた美学の核心を象徴するものです。
色は単なる装飾ではなく、感情や文化を映し出す鏡であり、光と融合することで生命力を帯び、作品に独自の物語を宿します。
この展覧会では、色彩の科学的な側面、文化的な象徴性、そして光と色の相互作用を包括的に体感できるよう構成されており、来場者はブルガリがいかに「美しい色」を芸術へと昇華させてきたのかを深く理解することができます。
まさに、ブルガリの色彩哲学を余すところなく体験できる特別な機会となっています。

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カレイドス展の概要とテーマ

ブルガリ展覧会
Yahoo!ニュースより転載

「カレイドス」という名称はギリシャ語の「美(カロス)」「形態(エイドス)」に由来し、「美しい色」や「多様な形」を象徴しています。
ブルガリが初めて本格的に「色彩」をテーマに掲げたこの展覧会は、ブランドの歴史を物語るジュエリーと現代アーティストの作品が融合する、過去最大規模の試みです。

展示は「色彩の科学」「色彩の象徴性」「光のパワー」の3章で構成され、それぞれが色の役割や表現を多角的に探求しています。

第1章では、ルビーやサファイア、エメラルドなど鮮やかな宝石を駆使したジュエリーを通して、色彩が科学的にどのように機能するかを紹介しています。
例えば宝石の屈折率や光の吸収、カットの仕方によって生じる色の強弱など、科学的な仕組みを踏まえてジュエリーの美しさが生み出されていることが解説され、鑑賞者は職人技と科学の融合を実感できます。

ブルガリ展覧会
美術手帖より転載

第2章では文化や感情を象徴する色彩表現に注目し、古代から現代に至るまで色が持つ意味や感情を伝える力を紐解きます。
伝説的な「セブン・ワンダーズ」や「セルペンティ」シリーズとともに、赤は情熱、青は精神性、緑は再生や豊かさといった文化的象徴が強調され、ジュエリーを通じて色が語りかけるストーリーが浮かび上がります。

第3章では、光が宝石の美しさを増幅させる様を体感できる演出が展開され、宝石が光を受けて放つ輝きの変化や反射の妙が空間全体を彩ります。

ブルガリ展覧会
美術手帖より転載

訪問者は色と光の調和がもたらす美を直感的に感じ取るとともに、光と色彩の相互作用が人の感情や記憶にどのように影響するかを考える機会を得ることができます。

展示の見どころと美しい色彩

ブルガリ展覧会
インターネットミュージアムより転載

今回の展覧会では、ブルガリ・ヘリテージ・コレクションと個人コレクションから選ばれた350点以上のジュエリーが公開されています。

特に注目すべきは、1940年代のシトリンのブレスレット「セブン・ワンダーズ」と称されるエメラルドネックレスです。
これらは単なる宝飾品ではなく、色彩とデザインの融合が生み出す芸術作品として高く評価され、ブルガリの色彩哲学を象徴する重要な存在となっています。
さらに、これらの作品は時代背景を反映しており、戦後の華やぎや豊かさへの憧れを色彩で表現したものとして、当時の社会や文化を映し出す貴重な証でもあります。

また、展示には希少なルビーやサファイアを大胆に組み合わせたアイコニックなネックレスや、カボションカットを施した宝石が放つ独特の光彩を楽しめるリングなども含まれ、ブルガリが長年にわたり培ってきた技巧と美学を一望できる構成となっています。
観覧者は、色と形のバリエーションが織りなす多層的な表現に触れ、ジュエリーが単なる装飾を超えた芸術作品であることを強く実感することでしょう。

さらに、現代アーティストであるララ・ファヴァレット氏、森万里子氏、中山晃子氏による新作インスタレーションも加わり、ジュエリーとアートが相互に呼応する空間が広がります。
彼女たちの作品は、色彩の流動性や感情への影響を探求するものであり、ジュエリーの煌めきと現代アートの躍動感が融合することで、来場者に新鮮な驚きと発見をもたらします。
色彩の歴史的・文化的意味を探求しながら、来場者はブルガリがどのように色を芸術表現の核として取り入れてきたのかを実感すると同時に、現代における新しい色彩表現の可能性を体感することができるのです。

会場デザインと体験の演出

ブルガリ展覧会
美術手帖より転載

展示空間は、建築家ユニットSANAA(妹島和世氏、西沢立衛氏)がデザインを手掛けています。
彼らの特徴である軽やかな曲線と透過性の高い素材使いは、空間に柔らかさと開放感をもたらし、ジュエリーそのものの輝きを際立たせています。
古代ローマのカラカラ浴場のモザイクや東京都のシンボルであるイチョウから着想を得た構成は、歴史と現代をつなぐ象徴的な要素として空間に組み込まれ、来場者は文化的な連続性を肌で感じることができます。
また、壁面や床に施された幾何学的なパターンや半透明の仕切りは、光が通り抜けるたびに色と影を生み出し、ジュエリーの魅力を何倍にも引き立てています。

さらに、イタリアのデザインスタジオFormaFantasmaも加わり、光と色彩の魔術を演出する空間構成が施されています。
映像やインタラクティブ展示が導入され、来場者は視覚だけでなく触覚や聴覚を通じてもブルガリの世界観に没入することができます。
宝石の光が壁面や天井に反射して織り成す色のダンスは、まさに万華鏡(カレイドスコープ)のような体験を提供し、訪れる人々に深い印象を残します。
SANAAが得意とする「透明性」「軽やかさ」の建築言語は、展示会全体を通してブルガリの美学と響き合い、ジュエリーと建築が一体化した芸術的空間を生み出しているのです。

まとめ

ブルガリ展覧会
美術手帖より転載

「ブルガリ カレイドス 色彩・文化・技巧」展は、ブルガリのジュエリーを通じて「美しい色」の持つ力を多角的に探求する場です。
科学、文化、光の観点から色彩を紐解く展示は、ブランドの歴史と革新を同時に体感させてくれます。
日本とイタリアの文化が融合した展示空間で、来場者はジュエリーの美しさだけでなく、その背後にある物語や文化的意義に触れることができるでしょう。
過去最大規模で開催されるこの展覧会は、色彩の魔法を五感で味わえる忘れられない体験を約束してくれます。

加えて、観覧にあたってはいくつかの注意点があります。
本展は日時指定の事前予約制が導入されているため、希望する時間帯での観覧を確実にするには早めのチケット購入が推奨されます。
休日や祝日は特に混雑が予想されるため、平日や午前・夕方など比較的空いている時間を選ぶと、落ち着いて鑑賞できるでしょう。
また、会場内は撮影が制限されているエリアもあり、ルールを守ることが快適な観覧体験につながります。
さらに、音声ガイドを利用することで展示作品やテーマの背景理解が深まり、鑑賞体験が一層豊かなものになります。
館内は広く展示点数も多いため、余裕を持ったスケジュールを組むことが大切です。
これらを心に留めることで、「ブルガリ カレイドス」展をより深く味わい、思い出に残る時間を過ごすことができるでしょう。

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